ハイスクール・ベースボールの呪い

 またこの季節になった。

あの日、僕はたしかにマウンドに立っていた。

たった1点をとるのが──いや、たった一人のランナーを出すことが、そして、たった一つのアウトをとることがこんなにも難しいことなのかと思った。昨日のことのようとは言わないが僕にとってまだまだ新しい記憶だ。

それでも、たしかに僕は1998年生まれで、あれは2016年のことで、そして今は2021年。もう5年も前のこと。5年もの間この呪いを祓うことができずにいる。

要するに、グラウンドを駆け回る高校生たちが憎たらしく、妬ましく、羨ましい。今後の人生であのとき以上になにかに本気で取り組むことはないだろう。あのときみたいに仲間と真正面からぶつかることもないだろう。たくさんの人の前で持てる力のすべてを発揮するような経験も二度とないだろう。でも「いい経験だった」なんて一言では片付けられない。片付けられるわけがない。口先では「未練はない」と言っても、長い間、もしかすると一生解消されないわだかまりを抱える。そんな仲間がまた増える。

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