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6月, 2022の投稿を表示しています

梅雨が明けた

  梅雨が明けたらしい。まさか、と思った。一応まだ6月だと言うのに。この「まさか」という感覚は見当外れなものではないようで、気象観測史のなかでも稀な早さだったという。( https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2022/06/27/18080.html , https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2022/06/29/18116.html )  この梅雨明けの報せの数日前から日本列島は厳しい暑さに見舞われた。季節外れの暑さ、と言いたいところだが、近年の傾向を考えるともはやこれがデフォルトなのではないかという気もする。というのも、 日本の年平均気温は長期的には100年あたり1.28℃のペースで上昇傾向にあるといい、さらに「 特に1990年代以降、高温となる年が頻出しています。」とまで書かれている。  特にこのリンクの下の部分、「正偏差が大きかった年」を見てほしいのだが、ここ3年は特に気温が高い傾向にあったことがわかる。  そういうわけで私もまた、この一週間ほど暑さと戦っている。戦い始めた。朝早い時間から、カーテンから漏れる光が部屋を熱する。外に出れば、まだ太陽は高く昇ってはいないというのに、陽射しが皮膚を焦がす。顔や首には日焼け止めを塗っているが、そうした対策を講じていない腕はすでに小麦色だ。  日陰に逃げても、湿気がまとわりつく。身体が何か薄い膜で包まれているかのような感覚。研究室までの徒歩10分ほどの道のりだけで垂れるほどの汗をかく。私が登校するのは比較的早いほうで、居室に着いても冷房はあまり効いていない。汗が落ち着いてきたころ、のろのろと作業を始める。  電気料金の高騰を受けて、大学本部から節電の呼びかけがされているが(少なくとも私の周りでは)誰も気に留めていない。快適に作業をできることがなにより重要だ。特に実験室の冷房は22℃と、かなり低い温度に設定されている。まあ、これに関しては薬品や機材の管理上やむを得ない部分ではあるのだが。  近ごろはそんな実験室の窓から、外の道路工事の様子が見える。強い陽射しの下、長袖作業着で作業員が働いている。せめてファン付き作業服であってくれ、と思いながらその光景を眺めていたりする。汗水垂らして働...

Xiaomi スマホのミュージックアプリが神すぎる件

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 Xiaomi スマホのミュージックアプリが神すぎる件 Spotify や LINE music など音楽ストリーミングアプリが普及して、ローカルストレージには音楽を持たずにストリーミングだけで音楽を楽しんでいるという人も多いかもしれない。 そうは言っても、それらのサービスは月額料金が500-1,000円ほどかかってしまう。そのような事情もあって、主に YouTube で音楽を聴くという人も少なくないだろう。しかし、当然 YouTube にも難点はあって、第一に広告が入ってしまうこと、第二にバックグラウンド再生ができないことが問題だ。これらの問題を解消するには Premium に課金する必要があり、結局月あたり1,000円前後の出費となる。 しかし、どうやら Xiaomi のスマートフォンなら無料で「広告なし再生」「バックグラウンド再生」ができるというのだ。 【裏技】XiaomiのスマホならYouTubeの『画面』と『広告』を無料で消せる。課金なしでストリーミングDAP完成! 内容を要約すると、Xiaomi製スマホに初期インストールされている"ミュージック"アプリを使用することで上記のことを実現する。このアプリはローカル保存されている音楽を再生できるほか、このアプリを介してYouTube上の動画も再生できるというアプリだ。いうなれば "Xiaomi製 YouTube Music" だろうか。 試してみたところ、確かに「広告なし再生」「バックグラウンド再生」をすることができた。 ただ、もちろんこの方法にもデメリットはあるようで、まずミュージックアプリからは画質の設定ができず高解像度での再生となってしまうため、データ通信量が大きくなってしまう。Wi-Fi接続時やモバイルデータ回線の契約容量が大容量であれば問題ないだろうが、そうでないなら注意が必要になるだろう。 あとはグローバル向けにアプリが作られているから(?)か、検索結果に表示されるのが英語タイトルだったりする(下画像)など、使い勝手は YouTune Music アプリなどに劣るだろう(PCブラウザで検索すると日本語で「花に亡霊」と表示された動画がトップに来るのだが……)。

肩の状態がいい

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 肩の状態がいい。 最近よく知人とキャッチボールをするのだが、だんだん肩の状態がよくなりつつある。 そもそも私は6年前に肘を痛め、そのときは50球-60球も投げれば肘が伸びなくなるくらいだったのだが、競技から離れるうちに肘は全く問題ないくらいの状態になった。後遺症が残る(引退したプロ野球選手でそういう話は割りと聞くが、アマチュアにおいても競技引退後でも肘が伸びない/曲がらないという話は少なからず聞く。)ほどまで深刻な損傷じゃなくてよかったと心から思う。 それからは年に2,3回キャッチボールをするくらいだったが、2年前か3年前から、投球時に肩に激痛が走るようになった。肩の故障は中学1年の秋以来だ。 力を入れなければ投げられなくもないというのがもどかしかった。15mくらいなら痛みはほとんどなく投げられた。多少の痛みを我慢すれば30mに届かないくらいの距離をなんとか投げられた。それ以上の距離を投げようとすると肩を上げていく時点で激痛が走って投げられなかった。 この痛みをなんとかしたいとずっと思っていた。競技レベルで投球していた人が一定のブランクののち再び投球を再開しようとすると、筋肉の柔軟性が低下して関節の可動域が狭くなっているのにも関わらず、動作としては昔と同じように投げようとするから筋肉や靭帯に痛みが出るようになると聞いたことがある。 しかし、どうもそれだけではないような気がしていた。本当になんとかしたくて、昔と同じようにボールを投げたくて「野球肩 ストレッチ」などのワードでyoutube動画を検索したりした。下の動画などはなかなか参考になった。 これを参考にストレッチやマッサージをすることで確かに幾分かマシになった。それでも投げられる距離は30mと少しくらいだった。 そして先日、キャッチボールをして、痛みが更に低減される方法がわかった。おそらく投球フォームに問題があった。 私は膝や腰も痛めた経験があって(今でもたまに、朝起きたときにとんでもなく痛かったりする)、そしてしばらくブランクができたこともあって、下半身での体重移動が全くできていなかったようだ。人体でもっともパワーのある筋肉である下肢の筋肉を使わずして強い球を放るのは難しいのだ。 肩の力で投げようとすると、それは痛みが出るのも当然の話である。たとえば、私は投球動作について"でんでん太鼓"を...

夏にしたいこと

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     ゴールデンウィークのおかげで5月は早く終わったのだとつい思いこんでいたが、どうやらそういうわけでもなく、私たちは早くも6月を折り返す。時間の流れは加速していく。ジャネーの法則だかなんだかわからないがそういうことになっている(諸説あり)。      梅雨だ。雨自体は嫌いではないが、雨降りが長く続くことでそれは生活に面倒を生む。まず、洗濯物が乾くのが遅いのが困る。どこかへ行くときに自転車で行くのではなく、傘を差して歩いて行かなければならないのが困る。 そしてそのうち、夏が来る。また、「あっという間に夏だな」とか言い出す。今年の夏はどんな夏になるだろうか。昨年は雨続きの夏だった。そのせいで夏の甲子園の日程が一週間近く延びたりしていた。 話題提供ありがとうございました。      夏にやりたいことを少し考えてみたが、なかなか思い浮かばない。幼いころは虫捕りをしたり、海へ行ったりして過ごしていた記憶があるが、小学校高学年から高校2年生までは夏休みはひたすら野球、野球、野球の日々だった。高校3年生のころは……言わずもがな。大学入学以降もなんとなくバイトしながら過ごして、そして2年前からは研究室に通う日々で…… つまりは、「夏の過ごし方」「夏のレジャー」に関する知見に乏しいばかりにこの夏にしたいことをはっきりと示すことは難しい。盆ごろに地元に帰ったら友人らとバーベキューでもしたいかもしれない。あとは、(盆以外で長期の連続した休みをとるのが難しいから)一泊か日帰りかでどこへ観光しに行きたい。手塚治虫記念館とか岡本太郎美術館とか寄生虫館とかが候補。あとは工場見学とか、野球を見に行ったりとか。こう考えてみると色々ある。 あとは、日々ちょっとしたことでいいから夏を感じるようにしたい。かき氷を食べるとか、あんみつを食べるとか、スイカを買ってみるとか、炎天下でスポーツ観戦に行ってみるとか。自転車で海まで行ってみるとかもいいかもしれない。 ==雑記== アジサイが好きだから6月が好きだ。 最近は、ジメジメする日も多いが、たまの晴れ間は外で休憩するのが楽しい。陽が差しているとすでに汗ばむほどの暑さだが、風が吹くととても気持ちがいい。

大谷が止めた、エンゼルス14連敗

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     MLB(Major League Baseball)もシーズンの3分の1以上が過ぎ、前半戦終了も近づいてきた。日本のファンとしてはやはり気になるのは大谷翔平だろう。     昨季は二刀流でフルシーズンを戦い、投手としては9勝2敗の防御率3.18、打者としては46本塁打という大活躍でリーグMVPを獲得した大谷。今年もMVPや本塁打王その他投手タイトルなどの獲得に期待がかかっている。     そんな大谷を擁し、2014年以来のプレーオフ進出を狙うエンゼルス。昨年は故障でシーズンの大半を欠場した野球星人あるいはベースボールマシーンことトラウトがここまでは長期離脱なく戦い、テイラー・ウォードもそんなトラウトに迫る成績をマークするなど開幕から好調で5月24日の試合が終了した時点で27勝17敗の貯金10。同地区に強豪アストロズがいることから地区優勝は逃すことはあってもワイルドカードゲーム出場は叶うのではないかと期待は高まっていた(はず)。     しかし、5月25日から地獄の連敗が始まった。      好調の原動力だったウォードが故障で離脱した。主砲トラウトが30打席連続無安打と、野球星人の異名に不相応な不調に陥ってしまったということもある。また、対戦チームがブルージェイズ、ヤンキースという地力のあるチームだったり、スロースタートではあったものの昨季ナ・リーグMVPを獲得したブライス・ハーパーが調子を上げるとともに勢いづいてきたフィリーズだったりしたのも大きい。しかし、それらの要因を説明されても納得できないほど負けに吸引されていた。     特に11連敗目となった現地 5日(日本時間6日)のフィリーズ戦はまさに悪夢としか言いようがない展開だった。 8回表終了時点で6-2で勝っていながらその裏に満塁ホームランで同点とされ、9回表に一点勝ち越すもその裏3ランホームランでサヨナラ負け。「泥沼」「悪夢」「衝撃的な結末」などメディアも様々な言葉で報じた。 そしてその次のゲームも落とし球団記録の12連敗。翌日の試合前にはマドン監督の解任も発表された。休養を減らすなど大胆な起用が大谷の昨年の飛躍に一役買っただけあり、大谷も 「全てが監督のせいとい...

映画 犬王 を見た

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https://inuoh-anime.com/ 室町時代、観阿弥や世阿弥と同じ年代に活躍しながら現代に記録がほとんど伝わっていない 能楽師「犬王」を描いたアニメーション映画。 「犬王を描いた」とは言っても記録が残っていない以上、その生涯を描くことはできるはずもなく、犬王という存在に仮託して型破りな芸能者を描いたミュージカル映画だ。 ミュージカル的な面からいえば、犬王役のアヴちゃんの演技・歌声はかなり見応え・聴き応えがあったし、それを映画館の音響装置で体験できたのはなかなかに満足した。 余談だが、私は女王蜂の曲ではアニメ「どろろ」のオープニング曲にもなっていた「火炎」がけっこう好きで、そして、偶然にも本作の設定にはどろろに影響されているかもしれない部分がある。 ストーリーの面について言及すると、公式サイトでは「犬王と友魚の友情」がそれなりに推されているが、個人的には"友情"を軸としてストーリーを理解することが難しかった。(もともと考察厨でもないし、描写の一つ一つに意味を見出そうとするタイプでもないので、ご意見ありましたら教えてください。) それから、友魚の進む方向があまりにも明後日の方向に見えてしまって、ときどき真顔になってしまったりもした。そういう意味では私自身があまり入り込めてなかったかなとも思う。 以上 頽廃空虚では皆様からお題を募集しております https://marshmallow-qa.com/haitira1?utm_medium=url_text&utm_source=promotion

アニメーション映画 この世界の片隅に を見た

2月に見て、メモを残していたのだがうまくまとめられずに、長いこと放置してきたが、結局推敲もままならないまま放出する。 ==== アニメーション映画 この世界の片隅に を見た。 主に太平洋戦争の勃発から終結にかけての時期における人びとの営みを描いている。 苦しい時代だったと思う。単に戦争で身近な人が死んでしまったり、物資が不足していたりするというだけでなく、そのような暮らしのなかで人々は心の余裕も失いがちで、対人関係でも苦しい面は多かったろう。 主人公であるすずさんは広島に住んでいたが、呉の家へ嫁入りし、戸惑いや窮屈さを感じる。ただでさえ家長の権限が強く、結婚は家と家の結びつき、という時代に義実家での暮らしは肩身が狭い思いだったろう(とはいえ、舅も姑もなんだかんだですずさんの失敗を許したりしていた)。 印象的だったのは、米軍の空襲が来た時にすずさんが防空壕に逃げずに鷺を追って行き、間一髪のところで夫である周作に抱きかかえられて溝に逃げて「死ぬ気か!!」と一喝されるシーンだ。そしてそのときにすずさんは「広島に帰る」と打ち明け(なぜよりにもよってそんなタイミング…??)、そこでも周作は「聞こえんわい!!」「勝手にせえ!!」と一喝する。 強い叱責だが、それだけ周作はすずさんを守ることに対して使命感を持っていて、そして実際にすずさんを守ったのだ。 もしも自分が周作と同じ状況にあったら「死ぬ気か!!」と一喝できただろうかと思う。その後、「聞こえんわい!!」「勝手にせえ!!」と声を荒らげることはできただろうか。高校生くらいの私にはまだそのくらいの気性の荒さがあったのかもしれない。しかし、すっかり牙を抜かれてしまった。 他者を傷つけたり、他者に傷つけられたりすることを強く否定した結果が無関心と不干渉だ。自分らしさ――個性と言ってもいいだろう――を大切に、だとか、ありのままを受け入れようだとかいう言葉は優しくて、耳にすっと入ってきて、私たちを安心させてくれるかもしれない。ありのままで、自分らしく生きた結果幸福を掴めればそれは間違いなく素晴らしいことだが、そうなれる人がどれだけ居るだろうか。ほんの一握りにしか過ぎないと私は思う。ありのまま生きた結果幸福でないのと、ありのままではないが幸福になれるのなら後者のほうが良いに決まっている。だから、相手を傷つけてでも、相手の"自分らし...

死なないこと、楽しむこと、世界を知ること の前提

     以前、人生において大事な3つのこと、 「死なないこと、楽しむこと、世界を知ること」 という話を書いたことがある。私はこの言葉が好きで、道に迷ったときに思い出したりして、ひとつの指針としている。      最近はこの3つの優先順位をインストールする以前の、重要な前提条件があるな、などと考えたりもする。 それは「選択を他人に委ねないこと、自分で選び取ること」だ。 これは当たり前のことに思えるかもしれないが、物事を自分で判断しない人はけっこういると思う。生物として「死にたくない」という本能はあるから、「死なない」ための選択は急場でできるかもしれない。ただ、何かを決断することは(それが「何を食べるか」「どんな服を着るか」という小さなことであっても) 疲れを伴う ものだというから、重要なことについても、ついつい自分で考えることを放棄してしまう(「決断忌避」, Decision avoidance)人もいるかもしれない。 たとえば、「○○さんがそう言ったから」「みんながそうだから」 というようなことを言う人が、たまにいる。もちろん、周囲の傾向や、誰かに相談した結果もらったアドバイスは決断するうえで一つの材料になるが、「自分はそうしたくなかったのに」というニュアンスでそう言っていては本人が本当に心から「楽しむ」ための選択・「世界を知る」ための選択はできないだろうと思う。      もちろん私だって、自分の生き方に関わるような決断に迫られたとき、誰かに相談することもある。そのときに投げかけられた言葉を参考にして検討する。そして決断する。それが思うような結果にならずに、自身の決断を後悔したこともある。しかし、思うような結果にならなかったことを、周囲や相談した人のせいにしようとしたことはほとんどない。      「あれは自分の意志じゃなかった」という気持ちもわかる。しかし、純度100%の"自分の意志"なんてどこにもないとも思う。 たとえば、私は高校時代の文理選択で理系を選んだ。これには私の父が電気工事の仕事をしていたことが少なからず関係しているだろう。兄も理系を選んでいたことも無関係とは言えないだろう。仲の良かった友人も理系を選ぼうとしていたことも、その時点で...

照明

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     3月に調光機能つきのLED電球とクリップライトを買った。壁にピクチャーレールがあるので、クリップでレールを挟んで壁から部屋を照らすように設置している。 監獄イメージ図     照明はどこを照らすかより、どこに影をつくるかが大事らしい。 まあそんな小難しいことはよくわからないし置いておくとして、悪い買い物ではなかったと思う。     まずリモコンで照明のオン/オフをしたり、明るさを変えたりできるのがよい。もともと部屋に備わっているシーリングライトは壁に埋め込みのスイッチでオン/オフするか、ライトから垂れる紐を引っ張って蛍光灯を点けたり常夜灯にしたりという感じなのだが、ベッドに寝転んだときに絶妙に手が届かない紐の長さなのだ。だから、風呂や歯磨きなど諸々のことを済ませ、寝転んで本を読んだりスマートフォンを弄ったりしながら「そろそろ寝るか」という気分になったとき、いちいち身体を起こさなくてはいけない。その点、部屋の明かりは消しておいてこの電球だけにしておけば、寝たいと思ったときにそのままリモコンで明かりを消せるのでよい。     とは言っても、そもそもシーリングライトのほうをリモコン調光対応のものに変えればよかったのでは?というのは自分でも思う。まあ、とりあえず価格的に手を出しやすかったというのと、設置箇所を変えられるという優位性もある。     それから、白色灯が暖色寄りだから、夜なんかは部屋の雰囲気が落ち着いた感じになる。狭いワンルームといっても電球一個では全体を照らすことはできないから、影もできて明るすぎず暗すぎず…というよりは少し暗いくらいになって眠気が 誘われるような気もする。     あとは多彩電球なので赤い光、青い光などにできるのも面白い(あまり使わない)。LEDなので電気代も高くならない。     センスはないが、間接照明にこだわってみるのも面白いかもしれないな、と思った。

コインロッカー・ベイビーズ

     村上龍の コインロッカー・ベイビーズ を読んだ。      生後まもなく駅のコインロッカーに置き去られたキクとハシ、二人の孤児の物語。二人は九州の離島に住む夫妻に引き取られ、成長し、そして東京へ行く。     読後感は「愛と幻想のファシズム」を読んだときのそれとよく似ていた。     「高慢でいい、自惚れろ、強く生きろ、世界が気に入らないならぶっ壊してしまえ」と訴えかけられたような気分。     キクとハシは乳児院時代(九州へ引き取られる前)、その生い立ちのせいもあってか自閉症的傾向があるとされ、精神科医による治療を受ける。その際、二人はある音を聞かされある種の催眠状態となって自閉症的傾向は改善されていく。      ハシはやがてその"音"を探すようになり、東京での生活の中であの音は心臓の鼓動だったと気づく。そして胎内で聞いた心音が伝えるものは「死ぬな、死んではいけない」という信号だったと理解する。     一方キクは紆余曲折あって、自分を捨てた母親を(明確に意図したわけではないが)殺し、最後には米軍が小笠原諸島に沈めた、生物の凶暴性・暴力性を解放する神経兵器"ダチュラ"を東京にばら撒いて都市への復讐を果たす。     こう書くとキクがとんでもないやつのように思われるかもしれないが、ハシもハシで精神を病み、妊娠した妻の腹を刺したりもしている。     キクとハシが生まれたのは夏で、蒸し暑いコインロッカーのなかで生き延びた二人は生命力・エネルギーに満ちている。特にキクのエネルギーは強大で、自分のような存在を生んだ都市という"コインロッカー"を破壊することがキクの生き方であり、自身の生い立ちの克服となった。      一方ハシは、「自分はかわいそうなやつだ」という自己憐憫の傾向があり、妻を刺傷することをはじめとして様々な奇行を繰り返す。それこそ「死にたい」「殺してくれ」というようなことを言うメンヘラ男だった。しかし最後には心音の意味を理解し、自らの欠落を受け入れて新しい生き方を志す。     コインロッカー...

2022年5月②

 海を眺めてややセンチメンタルな気分になった男たちは手持ち無沙汰になった。 「さて、これからどうする?」 時刻は17時前。帰るのにはまだ名残惜しい時間帯ではあった。 「K御用達だというラブホでも見に行こうぜ」 Sはふざけてそう言った。 Kというのもまた、私たちの小学校から高校までの同級生で、私の知る最新の情報としては、実家暮らしで地元の工場で働いている。ただ、KはSやHやNとは違い、女だ。 「こんな田舎にラブホなんてねえだろ」 私とHは口を揃えてツッコミを入れた。 「いや、それが●●(私たちの住むエリアから車で50分ほどの場所)にあるんだよ。俺も行ったことはないけどGoogleマップにも出てくる」 調べてみると確かにあった。 「じゃあ………行くか」 ヴィッツは再び走り出した。 === 先述の通りKは私たちの同級生の女だ。そしてメンヘラだ。J○時代からTwitterなどで男をピックアップして、ヤりまくっていると専らの噂だった。少なくとも私にとってはそれは噂ではなく、ほとんど確信になっている。というのも、成人式の際に催された同窓会でKと 1 on 1 で話すタイミングが少しあり、そこで上記の事実を仄めかすような話を聞いたからだ。 極度の過疎地のメンヘラ女が辿ったルートとしては、十分に現実味があるルートだと思うし、否定する理由もない。Kは一定以上の規模の都市にいたらホスト狂いにでもなっていただろうと思う。 === 例のラブホは幹線道路から外れたところにあった。物寂しい山沿いの道を走り、40分ほど。途中に古そうなトンネルがあって、Sが「ここ一応心霊スポットらしい」と言った。地元なのに知らないことはまだまだ多いなと思った。行ってみると思うところはなく、通り過ぎる際に外観を少し眺めただけで、またすぐにもといた方へと引き返した。出発して15分くらいの高揚感がピークだった。 そろそろいい時間になってきたので私たちはそれぞれの家に帰ることにした。夜はNともう一人、Mを誘ってまたドライブに行くことにした。 Mと会うのも久しぶりだった。彼は3月まで大学5年生だった。正確に言えば2年目の4年生で、つまりは一度留年していた。留年生として過ごした1年間も努力(していたのか?)実らず、卒業は叶わず中退することとしたらしい。 彼が今後どうするかというのは皆が気にしていたことだが、そういった...