箸が転んでも悲しい年ごろ

 箸が転んでもおかしい年ごろ、なんて慣用句があるけど僕はもうずっと何年も箸が転んでも悲しい年ごろだ。

まだ眠いのに朝が来るのも、寝たいときになかなか眠れないのも、好きなプロ野球のチームが負けるのも、帰ってから朝のごみ出しを忘れたと気づくのも、冷蔵庫の中で玉ねぎが干からびているのも、食器用洗剤を買い忘れたのも、漢字が思い出せなくなっているのも、休日にやることがないのも、夜の7時を過ぎてもまだ外が明るいのも、自分に友人がいないのも、ミスタイプすうrのも、字が汚いのも、スマホのバッテリーの減りがはやくなってきたのも、読書に集中できないのも、好きだった歌をもうずっと聴いていないのも、デスクトップにファイルが増殖しつづけるのも、それをなんとかしようと作った「一時ファイル置き場」というフォルダが肥大し続けるのも、もう6月が終わるということも、邪なことを考えてしまうのも、何週間も床の掃除をしていないのも、どうでもいいメールの通知にいちいち反応するのも、全部が悲しい。

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