ソトは未だNo.1の打者だ
Juan Soto projected as top hitter in 2023 (mlb.com)
フアン・ソトは野球界でもっとも優れた打者だ。Steamerプロジェクトによる2023年の成績予想ではWARが7.1、wRC+が171と予測されており、並居る選手たちを抑えていずれもトップの予測値だ。
現時点でソトのキャリアを見ると総じてオールスター級の恐ろしい打者だが、2022年は彼にとっては「不振の年」だったため、成績予想ではこの2点を詳細に議論しているだろう。
ここでは、ソトが2023年シーズンにおいても未だNo.1の打者と目される理由を挙げる。
<そもそも「不振の年」ではなかった>
まず、「2022年のソトはぱっとしなかった」という考えは、彼がこれまでの若きキャリアにおいて自身に課してきた基準を考えると浅薄だということからはじめよう。彼のwRC+は145であり、MLBの平均的な選手より45%攻撃面で貢献していると言える。これは規定打席に達した選手のなかでは10番目の数字で、ヤンディ・ディアズとフリオ・ロドリゲスよりわずかに低く、ムーキー・ベッツよりも少し高い。ちなみに昨年規定打席に到達した選手は130人だった。
これはもちろん、従来の比較的古典的な指標を軽視しているわけではない。確かに通算打率.301、通算長打率.550でシーズンに入りながらも、2022年はそれぞれ.242/.452となった。しかし、コンタクトクオリティから予測される成績はもっと良いものになる。コンタクト率などから予測される打率.266とのマイナス方向への乖離度は350打席以上立った選手のなかで8番目に大きかった。長打率についても予測値の.501とのマイナス方向への乖離度は6番目に大きかった。予測値も我々がソトに期待していたような数字とは離れているが、それでも実際の数字よりは期待に近い。
2022年のソトにとって問題となったのは以下のようなことだった。まず、選球型の選手としては、コンタクトが以前とは異なっていたのが問題だ。彼のBABIP(本塁打を除くグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合)は.249でMLB全体で下から12番目だ。以前はシーズン中に.312を下回ったことがなかったことを考えると、先ほどの予測値と同様、これもまた2022年は不運だったということを示唆している。しかし話はそれだけではない。
<そしてなぜ改善可能なのか>
昨年のソトの成績の見栄えがよくないのは運の影響が大きかったのは間違いない。このような不運が同じように続くとはなかなか考えられないから、2023年の成績は良くなるだろうと思える第一の手がかりだ。しかし、それ以上の好材料があるのだ。
ソトは選球傾向が強いことはよく知られているが、昨年も相変わらずそうで、規定打席到達選手としては2年連続でスイング率が低かった。このようにスイング機会が少ないから、一度一度のスイングでコンタクトを最適化することがとても重要となる。
コンタクト指標であるハードヒットレート(打球初速が95mph以上だった割合)とスイートスポットレート(打球の射出角が8度から32度の間だった割合)を見てみると、彼のかつてのコンタクトがパワー面でも角度面でも適していたとわかる。まず、47.4%というハードヒットレートは2018年のルーキーイヤー以来で最低だったのだ。また、28.5%というスイートスポットレートもキャリアで最低だった。ハードコンタクトができた場合の打率と長打率は.478と.995、スイートスポットコンタクトができた場合には.598と1.246だった。彼はハードコンタクトとスイートスポットコンタクトを増やさなければならない。
若くて才能のある打者が、良い角度で強い打球を飛ばすという過去4年間続けていた状態に戻れないと決めつけるだけの理由はないだろう。
<依然として打席アプローチは傑出している>
ここまで、昨年のソトにとってうまくいかなかった部分は十分に改善しうるということを示してきた。なにより、2022年も打席でのアプローチは健在だったから、成績は上向くと思われる。
先述してように、ソトのスイング率はMLBのなかでも突出しており、不調のなかでも無謀なスイングをすることはなかった。まず、ボール球に手を出してしまった割合は2021年から5ポイント上昇して17.2%となったが依然MLBトップだ。また三振率もMLB平均よりも良い数字で、四球率はMLBトップだった。
ソトはキャリアのなかで3度、三振よりも多くの四球を選んでいる。ワイルドカード導入以降で、23歳までに「三振よりも多くの四球を選んだシーズン」が2シーズン以上あったのはアルバート・プホルスを除けばソトだけだ。フアン・ソトがフアン・ソトしているのだ。
ただ良い打席アプローチを継続しただけでなく、ノイズ(トレードや成績が悪く見えることに対する非難のことか?)のなかでもそれをやれたのだ。
<この若さで、偉大な記録が見えている>
このように、彼は無視することのできない選手であり、何よりも、(成績予想でも考慮される要素だが)彼はまだ24歳なのに傑出したプレーヤーで、すでに殿堂入りが見えてきている。
キャリアを通してのOPS+は157で、23歳シーズン終了時ではエディ・マシューと並んで5位タイだ。それより上にいあるのはテッド・ウィリアムス、タイ・カッブ、マイク・トラウト、そしてプホルスのみだ。つまり、殿堂入り選手あるいは殿堂入りが確実視されている選手だけだ。
先に20.3%という四球率に言及したが、彼にとって四球率が20%を超えたのは三度目のことで、この、四球率20%超えが3度というのはすでに史上5位タイの回数だ。彼はまだ24歳のシーズンをプレーしていないのに。
ウィリアムス(9度)、ベーブ・ルース(8度)、バリー・ボンズ(7度)そしてマックス・ビショップ(6度)だけがソトよりも多くの四球率20%超えシーズンを記録している。そして、23歳シーズン終了時点で四球率20%超えが3度というのはソトだけだ。
四球率だけをとっても20.3%という数字と、アーロン・ジャッジとマックス・マンシーが記録した2位の15.9%という数字の差は、ボンズが37.6%で2位のトッド・ヘルトンが18.6%だった2004年以来では最大の開きだった。
<What's next>
私たちの予想が的中するかはシーズン終了までわからないが、2022年のソトの異変は今年には改善可能であり、とんでもない記録を残しうる打者だということは示せただろう。
もしソトが本当にファングラフスのWARで1位になった場合、パドレスの選手としては2020年と2021年にそれを記録したフェルナンド・タティスJrに続いて2人目となる。
それがどうであれ、ソトはこの2023年シーズン、注目するに値する選手だ。
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