ベストを尽くそう
ぼーっとしているときに、なんとなく昔のことを思い出すというか、過去の一場面が脳裏に浮かぶことがある。先日の三連休(土日+スポーツの日)なんかは、日曜と月曜はくしゃみが出て鼻水が出て目が腫れぼったくて完全に風邪といったような体調で、日がな寝て過ごしていた。
そんな日に浮かんだのは小学校3年生のころの記憶だった。季節は7月くらいだったと記憶している。体育の時間の最後に余った時間で50メートル走のタイム測定をしていた。たしか、4月5月に体力テストがあって、そのころのタイムから成長しているかな??という趣旨だった。これから走るというクラスメイトはスタート地点付近で待機していて、走り終えた児童はゴール地点の横で座って待っていた。
出席番号順で走っていって、私の番になった。確か8秒台後半から9秒ちょうどくらいだった。そして走り終えた組の列に加わる。先に終えたクラスメイトのなかで、運動好きでなおかつ負けず嫌いな性格の何人かは「なんか本気出せなかったな」とか「ちょっと足が痛かったかな」などと言っていた。私もそこに加わって何か似たようなことを言っていた。今でいうところの「イキり」的な言い訳である。こうして振り返ってみると恥ずかしいが、誰にでもそういう時期がある。特にスポーツをやっている男子児童なんてみんなそんな感じのころがあるものだろう。
私よりも番号が後のクラスメイトも走り終え、授業もちょうど終わるくらいの時間になった。最後は先生による講評だ。まず、男女それぞれで一番タイムが早かった者が発表された。男子で一番早かったという中野は得意気な顔……というわけでもなかった気がする。私は心の中で「チッ」と思った。(中学以降伸び悩んだが)小学生のころの私は足の速さにはそれなりの自負があったので中野に負けたのが悔しかったし、だからこそ先に述べた「イキり」があったわけだ。
先生は一番早かった者を発表してから数秒、児童の「マジかよ~」「クッソ~」みたいなリアクションを観察した。それが少し落ち着いてから若干厳しめな顔になって、私たち児童に苦言を呈した。
要約すると、「タイム測りながらお前らの話に聞き耳を立てていると、なにやら『本気じゃない』だのなんだの言っているやつがいたがそんなことを言うくらいなら最初から本気で走れ」というような話だった。「本気を出せるか出せないかも実力のうちだぞ」くらいのことも付け加えていた。小学3年生には少し難しい話のような気もするが、ワイワイ盛り上がっていた後に急に真顔で言われたものだから記憶に残っていたのだろう。
あれからかれこれ15年以上が経って、人生を振り返ってみると本気で取り組んできたこと、本気で取り組めなかったもの、いろいろある。本気で取り組めなかったことの筆頭格は中学の野球部での冬のトレーニングの持久走だ。高校ではウエイトトレーニングやダッシュ系のトレーニングが多かったが、中学では冬場は自重での筋力トレーニングと持久走が主だった。持久走は30分とか40分とかひたすら校舎を走り回るというもので、単純にハードだし、何より孤独だった。ただの苦行としか思えなくて全然自分のベストに挑戦していなかった。本気で取り組んでいる部員は「今日は30分で何周できたぜ!」というような感じですごくイキイキして見えた。そしてその彼は高校では陸上部に入部して、校内マラソン大会で歴代記録を塗り替えていた。
逆に、本気で取り組めたことは高校の野球部の練習全般とか大学受験の勉強だろうか。高校の部活は自分が明らかに実力で劣ることが感じられたので死物狂いでやったし、受験勉強も放課後学校に残って自習室でひたすら参考書に取り組んだ。そして、どちらも自分ではそれなりに納得できる結果を出せた。
こうして考えてみると、やっぱり本気で取り組まないことには成長がないよな、と感じる。本気で取り組めるかどうかにも人によって向き不向きがある(持久走ができなくてもウエイトトレーニングはできる人がいる、というように。)とはいえ、「本気でやったけどだめだった」という体感を以って謙虚にならないと人は成長しないんだろうなと思う。そして、成長する(できなかったことができるようになる)からこそ、自信にもなり、自分を好きになれるということにも繋がってくるのだろう。
このブログだって、去年は「二日に一本」という目標を掲げてベストを尽くしたからこそ、年末にはいい気分になれたし、以前よりも文章を書くことが好きになった(その割に今年は質に関しても量に関しても良いとは言えないが…)。
個人の適性や素質にも左右されるから、「なんでも全力でやれ!」「常にフルパワーでやれ!」とは思わないが、少なくとも人生に対して一応は本気でありたいとは思う。馬車馬のごとく昼夜問わず働け!/勉強しろ!というような意見には賛同できないが、最低でも決められた時間内はベストを尽くすようにしたい。「本気じゃないから」なんて言い訳する見苦しい大人にはなりたくないよな??
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