2000年代海外SF傑作選

 前回レビューを見て悲しくなった話を書きましたが、そもそもレビューを見ることになったのは本の感想をこのブログで書こうとしたからでした。

ネタバレ的なところもあるので注意。

2000年代海外SF傑作選 ハヤカワ文庫  です。

印象に残ったのは劉慈欣の「地火」。劉慈欣といえば今すごく人気の「三体」の作者ですね。僕は読んだことがないのですが、Netflixでドラマ化するみたいな話を聞いたのでそのときは見てみたいです。

主人公の劉欣は、幼いころ父親が炭坑夫として劣悪な環境で働く姿を見てきたこともあって、石炭を掘削する技術の研究者となる。研究者となってからも相変わらず炭坑夫たちの労働環境は変わらない。劉欣は、人間の制御下でわざと石炭を地下で燃焼させ、パイプからガスだけを取り出すというプロジェクトを売り込み、実行にこぎつけるが……

という話。ひとことで言えば劉欣のプロジェクトは失敗するわけですが、今のCOVID-19関連で治療薬やワクチンに関する情報が錯綜している中で、科学者や技術者は拙速であってはならないという警句にも思えました。

ほかは「可能性はゼロじゃない」あたりがわかりやすくて印象に残りました。

ある日から突然、ニューヨーク市でだけ、通常では起こる確率が低い出来事(大きな交通事故や鉄道事故だったり、通勤中自転車が壊れて大怪我をしたり、2個のサイコロを振ったとき何度も連続してゾロ目が出たり。)が起こるようになった世界の話。あまり大きな出来事が起こるような話でもなく、自分の中のSF的面白さというのは薄いのだけれど、この世界の設定がなんだか気に入ってて好きな作品でした。

以上

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