誰もわかってくれない 傷つかないための心理学

 誰もわかってくれない 傷つかないための心理学 ハイディ・グラント・ハルヴァーソン/高橋由美子訳

(No One Understand You, And What To Do Abou It   Heidi Grant Halvorson)


われわれのコミュニケーションにおいては相手に意図した通りのメッセージが伝わるとは限らない、むしろ状況によっては意図しない方向に受け取られがちになったりする。そういったことはなぜ生じるのか、それを避けたいのであればどうするのがよいのか、という話。

少し厳しめに書くと、全体的に「〇〇という事例がありますが、あなたにも同様の経験がありますよね。これには✕✕という心理が働いて▲▲というプロセスを経てそういうことが起こってしまうんです。これは■■の実験でも裏付けられています!」という論調で、要領を得ないということはないが"ふわっと"している感じは否めなかった。誤解されないために、相手のバイアスを緩和するためにどうすることが必要か、ということも書かれているがそこもかなり抽象的に感じられた(これに関してはまあ、具体的で現実的で実体的な小手先の行動や言葉が万人に通じるほど人間の心理というのは単純なものではないということなのだろうが)。とはいえ、コミュニケーションスキルに乏しい私にとってはそんな抽象的でふわっとしたアドバイスさえも多少の参考となるものだった。

私たちが他者を判断するプロセスは二つの段階を経るという。第一フェーズが思い込みによる"自動的な"判断、第二フェーズが(自動的でなく、)努力を必要とする"最初の印象に修正を加えていく"判断だそうだ。つまり、自分が判断される側のときはまず相手が極端な思い込みをしないようにすること、そのうえで悪い印象を与えたときは相手がその判断を修正するよう仕向ける必要性がある。

人間というのは本当に知能をよく発達させた動物だが、それでもこの第一フェーズのように、些細な思考・判断に割くリソースを出し惜しみしているのは不思議なものだと思う。むしろ、些細なことについては自動化してしまったからこその発達なのかもしれないが。

なかなかまとまりのない文になってしまったが、まあ、他人からは自分は自分が思うようには見えていない、ということを意識して生きていきたいという話だ。

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