何様
何様 朝井リョウ
2013年直木賞受賞作「何者」のサイドストーリー。
6つの短編からなるが、本のタイトルにもなっている6つ目の「何様」が最も印象に残った。
主人公の克弘はネット通販会社の新入社員で、研修を終え人事部に配属され採用担当チームの一員となる。はじめは採用活動のサポートを主に行うが、上司からそろそろ面接官も、といったことを伝えられ、ついこの間まで、選ばれる側だった自分が選ぶ側になっていいのか、選ぶ側としての誠実さはあるのか、"何様"なんだと思い悩む。
一方、克弘は学生時代から交際していた彼女と、就職を機に同棲を始める。これは結婚を前提にとかそういったものではなく、それなりに関係が長く続きマンネリしてきたことと就職がたまたま同じ時期となって惰性的に始めたものだった。しかし程なくして彼女の妊娠が発覚し、克弘はここでも自分には父親になるための誠実さはあるのか思い悩む。
いよいよ面接官として初めて面接を行う克弘。しかし全く面接官としてよい振る舞いができずに終わってしまう。
その様子をおかしく思った先輩社員君島は克弘を喫煙所へ誘う。
君島に問いただされ、自分は面接官になっていいのか、父親になっていいのかとの思いを吐露する。
克弘の思いを聞いた君島は「そんな繊細なこと気にする感じだったっけ?」と少し驚きつつも、「あんたもさ、子どもができたって言われてから今まで、うれしいって本気で思った一秒くらい、あったでしょ?すぐ別の気持ちに呑み込まれたのかもしれないけどさ、でも、その一秒だって誠実のうちだと思うよ」「誠実への一歩目も、誠実のうちに入れてあげてよ〜」と言う。ちなみに君島は学生時代留学なんか行っちゃって、しかも留学先でインターンなんか行っちゃって、思ったことズバズバ言うし、でも実際優秀で、なんだか少しいけ好かない感じの女性社員だ。
この君島との対話で克弘は救われたような気持ちになる。
読んでいた私もどこか気持ちが楽になった。私もこの克弘のように「誠実さ」や「本気さ」にこだわったりして自分のことが許せなくなって悩んだりすることが多い。でもこれからは本気の一秒をできるだけ尊重したい。
「その一秒だって誠実のうちだと思うよ」
「誠実への一歩目も、誠実のうちに入れてあげてよ〜」
以上
2013年直木賞受賞作「何者」のサイドストーリー。
6つの短編からなるが、本のタイトルにもなっている6つ目の「何様」が最も印象に残った。
主人公の克弘はネット通販会社の新入社員で、研修を終え人事部に配属され採用担当チームの一員となる。はじめは採用活動のサポートを主に行うが、上司からそろそろ面接官も、といったことを伝えられ、ついこの間まで、選ばれる側だった自分が選ぶ側になっていいのか、選ぶ側としての誠実さはあるのか、"何様"なんだと思い悩む。
一方、克弘は学生時代から交際していた彼女と、就職を機に同棲を始める。これは結婚を前提にとかそういったものではなく、それなりに関係が長く続きマンネリしてきたことと就職がたまたま同じ時期となって惰性的に始めたものだった。しかし程なくして彼女の妊娠が発覚し、克弘はここでも自分には父親になるための誠実さはあるのか思い悩む。
いよいよ面接官として初めて面接を行う克弘。しかし全く面接官としてよい振る舞いができずに終わってしまう。
その様子をおかしく思った先輩社員君島は克弘を喫煙所へ誘う。
君島に問いただされ、自分は面接官になっていいのか、父親になっていいのかとの思いを吐露する。
克弘の思いを聞いた君島は「そんな繊細なこと気にする感じだったっけ?」と少し驚きつつも、「あんたもさ、子どもができたって言われてから今まで、うれしいって本気で思った一秒くらい、あったでしょ?すぐ別の気持ちに呑み込まれたのかもしれないけどさ、でも、その一秒だって誠実のうちだと思うよ」「誠実への一歩目も、誠実のうちに入れてあげてよ〜」と言う。ちなみに君島は学生時代留学なんか行っちゃって、しかも留学先でインターンなんか行っちゃって、思ったことズバズバ言うし、でも実際優秀で、なんだか少しいけ好かない感じの女性社員だ。
この君島との対話で克弘は救われたような気持ちになる。
読んでいた私もどこか気持ちが楽になった。私もこの克弘のように「誠実さ」や「本気さ」にこだわったりして自分のことが許せなくなって悩んだりすることが多い。でもこれからは本気の一秒をできるだけ尊重したい。
「その一秒だって誠実のうちだと思うよ」
「誠実への一歩目も、誠実のうちに入れてあげてよ〜」
以上
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